ソニー、フジTVから新報道ＮＶシステム ／ＸＤＣＡＭ ＨＤ４２２でシステム構築
ソニーは、先のＮＡＢで開催した日本プレス向け説明会の席上、フジテレビジョンから『新報道ＮＶ（Ｎｅｗｓ Ｖｉｄｅｏ)システ
ム』を受注したと発表した。フジテレビに納入するシステムは、ＸＤＣＡＭ ＨＤを中心としたネットワーク報道制作システムと送出サーバーシステムのアーキテクチャを基本構成とし、取材・収録から、編集、送出までファイルベースでの一貫した運用が可能な独自のシステムとなる。元素材やＯＡ素材を管理するサーバーシステムと番組情報を作成・管理する送出支援システムを連携させたトータルシステムで、取材から送出までの素材管理を行い、番組間の素材共有や複数端末での作業の引継ぎを容易する。同システムは、フジテレビの次世代放送システム構想である『ファイル・ベースド・ワークフロー』の枠組みの中で、報道制作システムとして運用される予定となっている。
ソニーのネットワーク報道制作システムは、“ＸＤＣＡＭ ＨＤ４２２”シリーズで採用しているＭＰＥＧ ＨＤ４２２コーデック （50Ｍｂｐｓ）／ＭＸＦ－ＯＰ１ａをベースに、取材・収録から編集・送出まで、ファイルベースでの一貫した運用が可能なネットワークサーバーシステムで、①取材・収録・編集・送出、そしてアーカイブまでのトータルソリューションを提供。一貫したメタデータの管理も可能。②ＭＰＥＧ ＨＤ４２２コーデックを採用。高画質かつ低ビットレート化を実現。③取材／収録から編集を行う際、また、編集から送出への素材の受け渡しにMXFファイル転送を活用することにより、迅速かつ効率的なサーバーシステムを実現。④ＰｒｏｘｙＡＶデータを活用し、効率的なシステム構築が可能。
今回の決定について、フジテレビ技術局の中田安優戦略担当局長は『フジテレビは１９９７年にお台場に社屋を移転し11年を経過し、局内システムも次世代に移行する時期を迎えている。これまでは機械の性能にワークフローを合わせる。逆に言えば、機械の性能にワークフローが制限されていた。フジテレビは、まず我々の理想のワークフローを構築し、それに機械を合わせてもらうという発想を転換をした。新システムのキーワードは《ファイル共有》と《メタデータ》の二つと考える。当社は地上波であるが、ＢＳ、ＣＳ、ワンセグ放送を行っており、将来のＩＰＴＶを考えると１ソースマルチユースが重要になってくる。その時に、著作権等の権利関係が、今後重要になってくる。その管理と共有化に伴う信号劣化を防ぐにはＭＸＦファイルが重要になる。新システムは、非常にハードルの高いものだが、当社は革新的なものが好きな会社、97年の移転時に導入したソニーの報道システムも周りからは革新的過ぎると言われた。報道は局全体から見ればほんの一部だが、高度な技を要求される。フジテレビとソニーで良いものを作っていきたい。』と説明した。
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