NAB2008が米国ラスベガスのコンベンションセンターで開幕
NAB2008会場に到着した放送ジャーナル社ビジネスツアーの一行
世界最大の放送機器展である『NAB2008』が、4月14日米国ラスベガスのコンベンションセンターで開幕した。開幕前日の13日は放送機器メーカー各社がプレスコンファレンスを繰り広げ意欲的な新製品を発表した。
10時から開催されたオートデスク社のコンファレンスでは、同社のビジュアルエフェクト装置である、Inferno、Flame、FlintおよびフィニッシングシステムSmokeの新バージョンを発表しました。併せて、デジタルコンポジティングソフトウェアToxik2008のExtension1も発表した。新バージョンの2009では、新しいクリエイティブ機能とビジュアルエフェクトワークフロー機能を搭載し、同社で始めて圧縮メディアへの対応を実現し、中規模のポストプロダクションから放送局まで、導入しやすい価格帯を設定した、Inferno、Flame、Flintの2009バージョンでは、高い信頼性と柔軟性を備えたインタラクティブなツールセットをデジタルアーティストに提供。ハイクオリティなブラー/グローツールを含む新しいクリエイティブツール。オートスタビライゼーション機能を搭載。3Dトラッキングツールを強化し、マッチムーブ処理の高速化を実現。そして、対応フォーマットの拡張では、パナソニックP2MXFファイルおよびスタンダードなプロフェッショナル用Quicktimeコーデックの読み込み機能を搭載した。
11時から行われたクォンテルのコンファレンスでは、冒頭『ディジタルファクトブック20周年記念版をリリース』したと発表した。同ファクトブックは、20年間に12版を出版し、実に25万部を発行しているが、新版では、完全に見直され多くの新たな項目を取り入れて改訂され、顕著な盛り上がりを見せているステレオスコピック3Dも取り上げられるなどこの画期的なビジネス領域をあらゆる角度で収束する項目が盛り込まれている。ファクトブックのNAB限定特別エディションは、クォンテルブース来場者に配布。以降、同社のすべてのイベントで印刷物として配布、さらにCD版、あるいはWeb版も順次配布、公開する予定。さらに、同社はポストシステム用にQuattroソフトウェアを発表し、generationQ以来の大きなツールセットとワークフローを大きく前進させた。これは、eQ、iQとPabloに適用され、解像度共存マルチレイヤー・タイムライン、Final Cut Proとのプロジェクト互換、新しいフォーマットとして1080P(50と60)をサポートし、HDの二倍速収録やステレオ3Dの同時収録を可能にした。
さらに、カラリストの意見を取り入れて開発されPabloのコントロールインターフェース『Neo』、放送局向けの最高の編集機と最高のワークフローとして『Jo』と『Ed』の二種類の新しい放送用編集製品の発表。さらに、Newsbox HDとEnterprise sQシステムで、ユーザーがメディアと資源、ワークフローを離れた地点から共有することができる『Dino』を発表した。
☆ 松下はバリカム新製品2機種を発表へ/日立国際電気、P2HDカメラに参入
松下電器は、会場をプラネットハリウッドに移してVARICAMの新ラインナップとして、AVC−Intraに対応したVARICAM2700(100万画素CCD搭載)、VARICAM3700(220万画素搭載)を発表。さらに、先に発表した業務用AVCHD『AG−HMC150』のP2バージョンである『AG−HPX170』や64GBのP2カードの発表を行った。また、同社のプレスコンファレンスにはP2をサポートする各企業が参加し大きく盛り上がった。そんな中で、今回のNABに出展していないアビッドも挨拶に立ち、AVC−Intraをネイティブでサポート済めことを表明した。
また、大きく注目されることとして、P2HDのカメラ分野に日立国際電気が参入することが明らかにされた。これにより、P2HDカメラが複数のメーカーから発売されることになった。これについて、日立国際電気は、『当社が記録方式P2パートナーに加わることで、収録機器にも選択肢が増え、カメラ撮影から番組送出まで、より多くのユーザーがP2HDを使用できるようになり、半導体収録によるさまざまなメリットを実感していただけるものと考える』とコメント。製品としては、「SK−HD1000」の、カメラ部とアダプタ部が分離できるドッカブル構造にを活かし、P2HD対応ドッカブルレコーダー(AVC−Intra対応)を2009年を目処に商品化する。
☆ レンズ交換式のXDCAM EX発表
ソニーは、15時からバリーズホテルで、最大規模のプレスコンファレンスを開催。『HDNA〜Create Your Story〜』をテーマに、HDデジタルシネマ(CineAlta)制作、HDライブ制作、HDニュース・フィールド制作、HDイベント制作(B&I制作)の4つのアプリケーションと、ディスプレイの展示コーナーに分けて提案を行うと発表した。注目される新製品としては、フルHD、3CMOSセンサーを搭載し、高画質記録を実現したXDCAM EXの新製品として、レンズ交換可能でGen−Lock入力とタイムコードの入出力に対応することでマルチカメラ運用を実現した『PMW−EX3』を発表した。発表に際しては昨年のミスユニバースの森理世さんがカメラを構えて会場を一周し大きな喝采が寄せられた。他の新製品としては、11型HD有機ELカラービューファインダー『HDVF−EL100』、デジタルシネマカメラ『F35』、ファイル転送プロセッサーボード『HKSR−5804』、HDCAM−SRスタジオプレーヤー『SRW−5100』、忠実な描画性能を実現した42型液晶マスターモニター『BVM−L420』等が発表された。
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